今回の秘伝コミュニケーションは、
いよいよ相手ありきの、
相手に働きかける技法を紹介します。
皆さんはレトリックと言う言葉を聞いた事がありますか?
レトリックは、文章や会話に潤いを持たせるための技術で、相手に伝えたいことが正しく伝わるよう説得するために使われます。
また、会話の相手や読者の感情を引きつけ、揺り動かすためにも使えるテクニックです。
まさに、言葉の秘伝コミュニケーションというにふさわしい技法だと思っています。
この感覚が身につくと、言語のスキルアップに繋がり、会社のプレゼンテーションや、友人との会話。果ては、インターネットコミュニケーションとその自衛にも役立てることが出来るのです。
今回はそんなレトリックについて、じっくり見ていきましょう。
レトリックの成り立ち
「ヨーロッパにおけるレトリック」古代ギリシアではレトリケ(レトリック)と呼ばれ、
言葉によって人々を説得する雄弁家や、
書物を書くことで語りかける演説作家と呼ばれる人達にとって基礎的な教養科目でした。
レトリケを構成する要素
① 発想(論点はどこにあるのか、テーマは何かを探すこと。)
② 配置(議題、テーマを議論する上での順番を決める)
③ 修辞(より効果的な表現のやり方)
④ 記憶(口頭で議論する場合の暗記)
⑤ 発表(声の出し方、高さの調節。身振り手振りの取り入れ方など)
この5つを基礎として、この後2000年以上に渡り学ばれていくことになります。
古代ローマの時代になると、レトリックは学問として爆発的に広がりをみせました。
しかし、近代になるにつれ、学び修めるものという認識から、表現技術としてのレトリックという認識になったといわれています。
「日本古来におけるレトリック」日本ではまだ文字がない時代から詩が詠まれ、
奈良時代辺りでは和歌、短歌が詠まれていました。
奈良の時代から明治時代までは、日常の中の自然の移り変わりや、景色を楽しんだり、恋に悩んだりする人の心をより美しく表現するためにレトリック(修辞法)を使うようになりました。
それってレトリックですよ。日本語レトリック代表的な表現
枕詞 まくらことば
五音で構成される、特定の言葉を示す歌のイントロのようなもの。
誰でも使うことが出来る。
序詞 じょし
7音で構成される、特定の言葉を示す歌のイントロのようなもの。
こちらは、枕詞と違って作者がその歌のためだけに作成した表現。1回限りの使用で、その歌の作者しか使えない。
掛詞 かけことば
1つの単語に2つの意味を持たせることで、言葉に広がりを持たせる。
縁語 えんご
ある言葉を連想させるために使う。
本歌とり ほんかとり
広く知られている古歌(和歌)から、1句か2句とって新しい角度から歌を詠む。題材や時系列、その後の展開など切り口を変える。
わかりやすく動画で見てみましょう 。
大正時代までは、文章を美しく飾る為の装飾のような意味合いが強かったのですが、
昭和に入り自身の主張や思想をより的確に伝えるための技術として、
多くの人に伝わり始めとのです。
最近どうなのレトリック
THE RHETORIC 人生の武器としての伝える技術 (一般書 179) [ ジェイ・ハインリックス ] | ||||
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レトリックという言葉、聞きなれない人もいるでしょう。僕も正直、詳しく調べるまで知らない言葉でした。
レトリックの書籍は出ているんですが、この書籍は日本寄りではないと思います。
いい本だと思うし、表現にひねりが聞いてて、いちいちかっこいいです。
しかし、われわれ日本人に寄り添っているわけではないので、「は!?」というところがいくつかあります。
一つ一つの技法の説明がいちいち長いので、何を学んでいるか途中で分からなくなってくるんです。
いい本だとは思いますがね。
これの対抗馬が出てないのが残念なところです。
日本寄りは? なぜ出ていないのか?
といえば次の章で上げる本が適切かと思います。
実は身近なレトリック!!代表的な表現技法の紹介
レトリック感覚 (講談社学術文庫) [ 佐藤 信夫 ] | ||||
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この本がその答えとなる本であると思っています。
日本人のために書かれたレトリックの本です。
この本で紹介されている技術は、
実はそんなに難しいものではありません。
実はすでに皆さん、レトリックを使っているんですね
実は小学校のころから知ってたレトリック
昔、
僕が学生の時、
国語の勉強にさっぱり興味がわきませんでした。
比喩法、倒置法、反復法……などなど。
これらは実はレトリックなんですね。
せっかく国語の授業で教えてもらってたんですが、
当時の僕にはその価値がわからなかったんです。
- 漢字が難しいから勉強しておくのやめておこう。
- 何故なら、今勉強してもわからないだろうから。
- こんなことぐらいなら大体わかるから、勉強しなくてもいいやっ!!
という勉強をやらないための言い訳を思いつきました。
ろくに勉強しなかったんです。
先生!!教えてほしかったっす!!
社会に出る前も社会に出てからも、
重要な表現方法の技術なんだよって。
でも、悔やんでも後の祭り。
一から勉強しなおしましたよ。
同様な人、
世の中にたくさんいるでしょうから。
皆さんに伝えるために
ちゃんと勉強しておきました。
おさらいしてみましょう。
直喩(シミリー)
“ まるで” “ ような” など
例えるものと、例えられるものを比較する比喩法。
例 「見ろ! まるで人がゴミのようだ」
ジブリのアニメで聞いたことのある言葉ですね。
このセリフ知らない人はいるだろうか?
暗喩(メタファー)
“ まるで”などの言葉を使わず直接2つの単語を結びつける比喩法。
このツイートでは、ラピュタのお宝に群がる軍人さんたちを「バカ」
お宝を「目くらまし」としてます。
例 「アイツは鬼だ」
鬼やオーガなど想像上の生き物であるが、その性格を最もよく表現できていると判断し、使用している。
メタファーってよく出てくる言葉だけど、よく使われる理由は、「暗喩」っていうより言いやすいからなんじゃないですかね。
換喩(メトミニー)
全体の代わりにその全体の一部分を使ったり、
その一部分の代わりに全体を使ったりすること
制服を着ている人全体をさして、「制服さん」と呼んでいます。
換喩表現の他の例
例 「あの洞窟に入って帰ってきた者はいない」
この場合「者」が洞窟に挑んだすべての人のことをさすが、者というと一人であり、全体の一部分。
提喩(シネクドキ)
全体の代わりにその全体の一部分を使ったり、
その一部分の代わりに全体を使ったりする
換喩表現の一つなんですが、
提喩は、
大きなカテゴリー(上位概念)で
小さな種類(下位概念)を表現するのにつかわれます。
この場合はラピュタの力のことを「人類の夢」という抽象度がより高い概念で語っています。
例 「ジョンソンは台湾のイチローだ」
この場合、
1990年代台湾野球界で驚異の打率を打ち立てていた
「ジョンソン」が
当時日本プロ野球界で最も打率が高かった
イチローに例えられたもの。
イチローというビッグネームありきの日本人プロ野球ファンむけの表現です。
誇張法(イペルボール)
物事を大げさに言ったり、評価を下げるために極めて矮小なこととして語ること。
700年も王の帰りを待ってるって表現は大げさですから、ここに入れました。
大佐はなかなか大げさなことを言わない人なので、なかなか見つかりませんでした。
例「誰が何と言ったってそんなこと信じないぞ!!」そのことを事実であることを裏付ける証言が出てきたら信じるのに、言っている大げさな言葉。
大体このセリフが出てくると、言った人は意見が覆る一歩手前ですね。
(信じたくないけど、俺の意見揺らいじゃうかも……でも!!!)「誰が何と言ったって・・・・・・」
列叙法(アキュミュラシォン)
物事を明確に表現するため、次々に同格の言葉を積み上げて強調する表現方法
「小僧から石を取り戻す」ために、「ひざまづく」「命乞い」同格の言葉を並べています。
例
例「うまいものを食うと、辛口の菊政が飲みたくなる。辛口の菊政を飲むと、うまいものが食いたくなる」
菊政という日本酒を飲むと食事がより良いものになるという列叙法ですね。
CMのフレーズですが、まだ頭に残っているので、効果があったんだなと思います。
緩叙法(リトート)
言いたいことを遠回しに言って、ほかの意味を強調する方法。
大砲で勝負したって俺に勝てるわけねえだろうという
遠回しな表現。
例 「私は決して暇ではない」
忙しいという意味をわざわざ遠回しに言うのは、貴方にかまう暇がないを強調していますよね。
とまあ、
かなり僕たちは、レトリック表現に触れているわけですよ。
国民的アニメにも使われていましたからね。
もっと深く学びたい人は、話術を勉強するといいかもしれません。
どうやって使うかについては記事も書きます。
でも手っ取り早くスキルだけ手に入れたい、
せっかちさんのためにオンラインサービスの紹介をしておきましょう。
オンラインサービス ココナラで勉強しよう。
レトリックやセールスライティングを勉強したいあなたは
オンラインサービスでの勉強をお勧めします。
ちょっと検索しただけでアドバイザーが見つかりました。
本を読むより進歩が速いですよ。
手っ取り早くスキルを身に着けるなら
登録は無料なので一回考えてみてもいいかもしれません。
まとめ
- レトリックの歴史は古代ギリシャから
- 日本国内でも歴史があるが言葉があればその出現は必然
- 日本国内では日本人向けの書籍に新しいものがない
- 日本人向けの書籍のおすすめは「レトリック感覚」
- 基礎技術は、アニメ、CMなどにも出てきていて、実は身近
正直な話、結構簡単だったかもしれませんが、結構突っ込んで解説してみました。
これだけじゃまだまだ秘伝には程遠いかもしれませんが、これだけでも十分な威力のある言語情報を作り出せそうな気がします。
まだまだ足りないよ!!と思われているあなたは、次回の記事を期待してください。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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コメント
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